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バレエでの大切なことについて  

                                    

バレエでの大切なこととは何でしょうか?

それは、世阿弥の風姿花伝書で言われているように「自分の内なる花が開花している」ことなのです

禅の極意と同じです

自分を忘れているとき、その時こそ、大いなる感動が心に溢れます

風のせせらぎ、草花の喜び、河の流れをこよなく愛を持って感じられるのです

音楽が身体を通して流れ始め、音の流れとまったく一つになるのです

その時、踊っているのは、自分ではなくて音楽が自分を通じて踊っています

そこには歓喜があり、踊ることの喜びが溢れています


それがバレエなのです

けれども、この極意である自分を忘れるとは一番難しい事なのです

通常、私達はこの人生の中で、常に自分に囚われて生活しています、

自己関心から離れることがありません

自己関心とは自分がどう思われているのかを計算している利己的な心であり

それは全く他人のことを心配しない利己的な心です、その時エゴが動いています。

それは、自分の事をじっと非難もなく判断もなく暖かく見つめることをしません


自分の配役や、自分の評価、自分のランクを気にしている人は

バレエが好きなのではなく、自分の為にバレエを利用しているに過ぎません。

バレエを愛して、バレエが好きならば、どんな配役だろうと、どんな地位だろうと

そんなことは全く気にならないのです、一生懸命に最善を尽くして踊りに打ち込むのです。


そのような配役や評価を気にしている人はバレエが好きでもなくバレエを愛してもいないのです。

バレエが好きな人はバレエを愛しているので、どんな役でもそれを全力で踊ります

配役や他人の評価など気にかけません、ただ全力でバレエに打ち込むのです。


少し専門的ですが

バレエも多くの道と同じように踊ることを通じて、大切なことを学んでいるのです

しかしそこへ到達するためには、日々の弛まざるレッスンと身体へのアテンドがあります

バレエの基本はタンジュバットマンです、膝を中心にインとアウトでアンデオールで開展し

アンデダーンで5番に収納され、その5番は二重螺旋なのです

(残念ながら各バレエ団を見渡しても正しくタンジュが出来る人は殆どいません

ステップやパをしていても、それは動いているだけでバレエではありません)

骨を意識する事、中心軸を正しく形成すること、センターにいつもいること

内側の筋肉の動きを理解していること、足の裏から大地を感じていること

筋肉の緊張を解きほぐしてリラックスしていること、そして中心にいること

舞台の隅々までもが自分の中に在ること、衣裳や道具も自分の中に在ること

舞台にいるあらゆる周りの人々が自分の中に在ること

これらはバレエの時だけではなくて

人生のあらゆる時にも通用する同じ事なのです


それらの基本を通じて、それらの基本をマスターして、

基本の姿である自由と一つになることが出来るのです

これは大変な作業です、

これは弛まざる内と外への凝視を通じてのみ生まれてくることなのです


内面と外面に対する留意は同じことなのです

私達がバレエのレッスンを通じて身体の中を無心で見つめているとき、

それが私達の内面を見つめていることと繋がっていくのです

そしてその時、世阿弥の言う極意が現れるのです・・・それが「花」なのです


自己を凝視することが自己を忘れる事であり、そしてそれが全てと一つになることなのです

そこに、花という本当の私が誕生するのです

そこにはバレエの踊る喜びが溢れているのです!

バレエを通じて自己の評価を高めるのではなくて、バレエを愛して、バレエに奉仕する

バレエに身を捧げる、そのような心が一番大切です。

その時、あらゆるプリマよりあなたの方が素晴らしい踊り手です!!

何故ならそこに演じたり踊ったりするあなたではなく、あなたがいるからです。


















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